ピアノ 湿気 サビ 虫除け 外装

ピアノのコンディション維持方法を考える

今回のコラムは、ピアノのコンディションを維持するために用意すべきもの、必要なことについて考えてみたいと思います。

ピアノの湿気対策

ピアノは「湿気が大敵」ということで、袋入りの除湿剤が多く使用されています。

しかし、ピアノは密閉された箱ではなく外気と常に接触していますから、恒常的に湿気の多いところでは、いくら吸い込んでもキリが有りません

それよりも、部屋の中に除湿器を置いて、湿度調節をした方がはるかに合理的です。

もっとも、この袋入り除湿剤は、高性能材料が使用されるようになり、一度吸湿した水分を乾燥期に吐き出して「渇き過ぎ」を防ぐ効果があると言われますから、こまめに部屋の湿度管理を行う面倒さを省いてくれるという意味で、有効性を認めて良いと思います。

しかし、塩化カルシウムを使用して水分を取り込む方式で、プラスチック製容器に入っている除湿剤は、有効期間内に取り出さないと、危険な液体をピアノ内部に抱え込む形になり逆効果です。

この塩化カルシウム水溶液は、塩化物イオンによる腐食性があります。鉄などの金属製品を侵し、ピアノ弦の断線事故を起こした例もあります。運搬時にひっくり返そうものなら、それこそ悲劇になります。

どんな除湿剤にしても、調律師が状況を判断し必要性を認識した上で、定期的に交換すれば、時と場合によっては有効に機能してくれます。

しかし、なんらかの理由で定期的な調律を中断する場合、薬品を出さないとかえって危険なので注意しましょう。

ピアノのサビ対策

サビ止めは、虫除けと一緒になったものがあります。湿度の高いところ、海辺に近いところに設置されたピアノには欠かせないものです。

ただし、金属を変色させる恐れがあり、使用場所によっては(特にグランドピアノのフレームの上など)避けなくてはいけません。

ピアノの虫除け、ネズミ、ゴキブリ対策

虫除け

虫除けは、古いピアノには必需品です。防虫加工が切れた上質のフェルトは、(洋服類につく)小さな蛾の幼虫が好んで食べます。

最近は、匂いを抑えた防虫剤もあるので、ピアノ性能に影響しない場所に置くのは有効です。ただし、これも置き場所には注意が必要です。

洋服ダンスにぶら下げるような防虫剤は、防虫効果はあるものの、設置する場所を誤ると、内部の機械構造に接触して動作不良や雑音の原因になることがあります。

ショウノウ以外の小さな防虫剤を小袋に入れて吊るしたり、要所に配置して調律のたびに取り替えるようにすれば、未然に虫害を防げます。

ネズミ、ゴキブリ対策

ネズミも、部品をかじるので油断なりません。ピアノのペダルの穴から潜り込み、アクションの布テープを食べます。

また、鍵盤の下に巣を作っていることさえありますが、長期間住みつかせるようでは衛生面でも問題です。一回でもピアノを鳴らせば、驚いて逃げていきます。

ネズミは、畑や山林の近く、別荘地などで警戒が必要でしょう。都会では、むしろゴキブリの侵入の可能性が高く、虫除けを入れておくことをお勧めします。

ピアノの外装の手入れ

ピアノ外装を磨くポリッシュ類も、なんでも良いわけではありません(塗装仕上げによります)。

購入時に付属品として付いてきた艶出しと同じものなら問題ありませんが、新しい研磨剤などを使用する時には、調律師に一度聞いてからの方が無難です。

せっかくの半つや消し塗装が所々光ってしまったり、逆に変なくもりが出てしまうこともありますから注意しましょう。