三味線 自動採譜装置 ピアノ演奏

三味線の譜面を自動作製してピアノ演奏

三味線などの伝統音楽の演奏を、自動的に楽譜にする装置がある、という記事を見ました。

伝統音楽保存用自動採譜装置

伝統音楽保存用自動採譜装置」の研究をされているのは、八戸工業大学の小坂谷教授です。

自動採譜装置開発の経緯

三味線など地域の伝統音楽は、師匠から弟子へ口伝で受け継がれるため、節回しなどが年月とともに変化することが多いそうです。

日本民謡協会によると、民謡の採譜が始まったのは、大正末期から昭和初期の頃で、全国に約10万曲あるとされる民謡のうち、採譜されているのはわずか500〜600曲ほどしかありません。

しかも、音の長さや大まかな音階を表す簡易的なもので、西洋楽譜のように強弱や速さなどを細かく表現しているわけでは無いのです。

さらに、津軽三味線は、盲目の門付け芸人の演奏が起源のため、師匠の演奏を聴いて覚える形で伝承されてきており、民謡の中でも特に楽譜に残す文化が無いそうです。

そのため、三味線の曲には楽譜が残っているものが少なく、消えていく曲も多いです。

小坂谷教授は、演奏を正確に楽譜化し後世に残そうと、2009年に自動採譜装置研究に着手し、2016年に完成させました。この装置を使い、津軽三味線をはじめとした民謡のデータベース化に取り組んでいるそうです。

自動採譜装置の仕組み

自動採譜装置は、採譜用の楽器とコンピューターにより構成されています。採譜用には、皮を張っていない特殊なエレクトリック三味線を使用します。

奏者が採譜用三味線を弾くと、3本の弦それぞれの音をマイクで拾い、周波数を解析して音階を判読し、装置のコンピューターが、三味線用の譜面と西洋楽譜にほぼ自動的に変換します。

三味線の演奏をピアノでも演奏

八戸工業大学で開かれた公開授業において、民謡家の三味線演奏を自動採譜装置を使って楽譜化し、同大専門講師のジャズピアニスト、デビッド・マシューズさんがピアノ演奏で再現しました。

小坂谷教授らは、これまでに全国の民謡約100曲を譜面化しました。そのうち、青森県の民謡を中心に、完成譜面27曲を県教育委員会に寄贈しています。今後は、全国の民謡の譜面化をさらに進めていく、とのことです。